今回は体内時計についての記事だよ
体内時計!?僕もこのあいだ買ったところだよ!
体内時計と懐中時計は違うものだよ
え?違うの?じゃあ体内時計って何なの?
ということで今回は
- 体内時計とは何なのか
- 体内時計が乱れるとどういう症状が現れるのか
- 体内時計を整えるにはどうすればいいのか
といったことについてざっくり解説していくよ
体内時計が何なのか知るために心して聞くよ!
1.体内時計とは?
体内時計と聞くと「体の中に時計があるの!?」という感じがしてしまいますが、もちろん体の中に入っている時計のことではありません
体内時計とは生物が感覚的に時間を把握する働きで、人間だけでなく様々な生物に存在しています
生物の活動リズムはこの体内時計によってコントロールされています
体内時計の働きの例としては
- 日の出とともに体温を上げる
- 日中に体を活動がしやすい状態にする
- 夜になるにつれて眠るための準備を整える
- 季節によって変わる日照時間の変化に体を合わせる
といったものがあります
体を地球の自転や公転に適した状態に変えていく働きと言い換えることもできるかもしれません
海外に行ったときに起こるいわゆる時差ボケは、この体内時計が急激な環境の変化に対応できずに起こるものです
体内時計にはいろいろな呼ばれ方があり、
- 概日リズム
- サーカディアンリズム
- 生体時計
といったものがあります
概日リズムという呼び名があることからもわかる通り、体内時計で計られる1日の時間は24時間ではありません
正確な数字は分かっていませんが、おおよそ24時間11分から25時間程度とされています
あまり聞きなれない言葉ですが、私たちが地球で生きる上では欠かせないものなんですね
体内時計の仕組み
前章で体内時計がどういう働きをするものなのかは分かったかと思います
しかし「どうして体は時間が分かるの?」という疑問は残りますよね
私たち自身、時計が無ければ今が何時なのかよく分かりません
それなのに体が勝手に時間を把握しているというのは確かに不思議です
実は体内時計は主に
- 時計遺伝子による仕組み
- メラトニンによる仕組み
の2つの仕組みがあり、これによって時間を把握しています
この章ではそんな体内時計の2つの仕組みについて解説していきます
時計遺伝子による仕組み
最初に紹介するのは時計遺伝子による仕組みです
時計遺伝子とは特定のたんぱく質を合成する遺伝子のことです
時計遺伝子によって合成されるたんぱく質には
- Clock(クロック)
- Bmal1(ビーマル1)
- Per(ピリオド)
- Cry(クライ)
の4種類があります
この4種類のたんぱく質が以下のように作用しあって時間の把握に役立っています
- ClockとBmal1がPerCryを合成する
- PerとCryが十分に合成される
- 今度はPerとCryがClockとBmal1の合成を邪魔する
- ClockとBmal1が減るのでPerとCryが増えづらくなる
- 残ったPerとCryはカゼインキナーゼという酵素によって分解されていく
- PerとCryが分解されて少なくなるとまたClockとBmal1が合成され始める
- 1~6の流れがおよそ24時間なので時間を把握できる
なかなか巧妙にできていますよね
ちなみにこの体内時計の働きは主に脳にある視交叉上核と呼ばれる部分によって調節されています
視交叉上核は両目の視神経の交差する部分(視交叉)の上ななめ後ろの方向にある小さな器官で内分泌系の器官の働きをコントロールしています
この視交叉上核が体内時計の働きにかかわっていることは、マウス実験で確かめられています
この実験では視交叉上核が機能しなくなった個体の活動に規則性がなくなったことや、その個体の視交叉上核を正常な状態に戻すとまた規則性のある活動を始めたという結果が出ています
私たちのイメージする時計とはまるで違いますが、うまくできていますよね
メラトニンによる仕組み
体内時計には時計遺伝子による仕組みの他にメラトニンと呼ばれる物質による仕組みもあります
メラトニンはホルモンの一種で、生体内では必須アミノ酸のトリプトファンからセロトニンを経て合成されます
このメラトニンの血中濃度が高くなると眠くなると考えられており、正常な睡眠サイクルの人では起床から14~16時間がたつと分泌され始めるとされています
また、時計遺伝子の欄で出てきた視交叉上核にはメラトニン1型、メラトニン2型と呼ばれる受容体が存在しており、これらの受容体にメラトニンがくっつくことで生体リズムの調節をするという役目も担っています
メラトニンの合成は松果体が日光のような強い光の刺激を受け取ると抑制され、暗くなっていると促進されます
夜間に強い光やブルーライトを浴びると
- メラトニンの分泌が阻害されて眠気を感じにくくなる
- 体内時計を修正できなくなる
といった症状を引き起こすのはこのためです
このようにメラトニンには眠気を感じさせたり体内時計を調節したりといった働きがあるため、それを利用した睡眠薬も存在します
こういった2つの働きによって体内時計は成り立っているんですね
2.体内時計が乱れるとどうなる?
体内時計は私たちが地球で生きていくうえでなくてはならないものだというのはわかっていただけたかと思います
ではそんな体内時計が乱れてしまうとどういった症状が出るのでしょうか?
この章では体内時計が乱れることで体に現れる症状をいくつか紹介します
うつ病のリスクが高まる
体内時計が乱れるとうつ病の発症率が高まる可能性があります
マウス実験では体内時計の乱れているマウスほど不安様行動1が多くみられたため、人間も同じように体内時計が乱れるほどストレスを抱えやすくなると考えられます
また、うつ病を発症した人は健康的な人に比べて睡眠時にコルチゾールと呼ばれるホルモンの血中濃度が高いことが分かっています
このコルチゾールは別名でストレスホルモンとも呼ばれるため、体内時計の乱れが鬱の原因かもしれないという意見もあります
その他に、人を対象とした実験では体内時計が乱れている人はそうでない人たちに比べて平均して10%ほど精神疾患にかかる確率が上がったという報告もあります
ただ、この研究の被験者が主に高齢者だったこともあり、この結果をどこまで若年層に当てはめてもよいかについては未知数です
うつ病の原因はいくつか考えられていますが、体内時計の乱れもその1つです
虚血性心疾患のリスクが高まる
体内時計が乱れる要因として仕事上の理由などがあげられます
ある研究では夜勤帯に従事することがあるシフトワーカーはそうでない人たちに比べて虚血性心疾患を発症するリスクが1.3~3.9倍高いという結果が出ています
原因は定かではありませんが、要因としては血圧の変動リズムの乱れや糖、脂肪の代謝異常、睡眠不足などが関係していると考えられています
体内時計が乱れるだけで4倍近くリスクが高まるのは恐ろしいですね
生活習慣病になりやすくなる
マウス実験において体内時計の乱れたマウスでは肥満や糖尿病を発症する確率が高いという事が分かっています
これは体内時計の乱れによってインスリンやコルチゾールなどの代謝にかかわるホルモンの分泌に異常をきたし、正常な代謝がされないことによると考えられています
その他にも脳卒中のリスクが1.6倍、心不全のリスクが2.4倍程度にまで高まるというデータもあります
生活習慣病はどれも恐ろしいものなので、そのリスクが上がってしまうのは怖いですね
3.体内時計を整える方法は?
ここまでで、体内時計は私たちにとってとても大切なものであることや、体内時計が乱れることで大きなデメリットがあるという事が分かっていただけたかと思います
「だから体内時計を整えよう!」と言っても「どうすればいいの?」というのが本音ですよね
そこでこの章では体内時計を整えるために日ごろからできることをいくつか紹介します
朝日を浴びる
決まった時間に起きて朝日を浴びることで体内時計のリズムを取り戻すことができます
「体内時計とは?」の章で紹介した通り、体内時計は正確に24周期で動いているわけではなく、実際は24時間11分や25時間など少しオーバーしています
しかしそれだと1日過ごすごとに1時間ずつ生活リズムがずれていってしまいますよね
そうならないのは朝日などの強い光を浴びると、通常25時間周期で動いている体内時計をリセットできるからです
つまり朝日を浴びるたびに毎日1時間ずつ時計の針を戻しているんですね
そのため、体内時計を整えるには何よりもまず決まった時間に朝日を浴びるということが重要になります
その後、コルチゾールレベルの高くなる日中は外に出て体を動かすなどして、夜になったらテレビ、スマホなどのブルーライトや強い光を発するものは避けてメラトニンの分泌を促し、決まった時間に就床しましょう
初めのうちはなかなか寝付けないということがあるかもしれませんが、先ほども書いた通り生体リズ正すうえ上ではたとえ睡眠時間が短くなってしまっても決まった時間に起きて朝日を浴びることが最も重要になります
何となく朝日を浴びるのは健康にいいイメージがありますが、それにはこういった理屈があったんですね
朝ご飯を食べる
いままで紹介してきたような視交叉上核にある体内時計の仕組みを中枢時計と呼びますが、内臓や筋肉にもそれぞれ末梢時計と呼ばれる仕組みが存在しています
この末梢時計は基本的に視交叉上核に存在する中枢時計の働きによってコントロールされているとされています
しかし食事のタイミングの変化などによって中枢時計が乱れるという現象が見受けられることから、近年では末梢時計側にも中枢時計のリズムを変える働きがあるという見方が強まっています
これの裏付けとしてマウス実験では長期間の絶食後の食事による血糖値の上昇が末梢時計をリセットするという事が分かっています
つまり長時間の絶食(睡眠)の後の食事である朝食を食べることで末梢時計をリセットされ、中枢時計にもそれが影響する可能性があるため、体内時計を整えるためには朝食をしっかりととることも重要になってきます
ただ朝ごはんを食べるだけでなく、決まった時間にご飯を食べるということが大事です
メラトニンの摂取
「メラトニンによる仕組み」の欄で紹介したように、体内時計の仕組みとしてこのメラトニンが決まった時間に分泌されることで眠気を催し、1日のリズムが作られます
体内時計が乱れるとこのメラトニンの分泌がうまくいかず、就寝時間がばらつくことがあります
そういった場合にはメラトニンを食品やサプリメントから摂取することで改善すると考えられます
実際にマウス実験において、
- まっくらな環境に置いたマウスは就寝時間が毎日すこしずつずれていった
- 同じ環境に置いたマウスに決まった時間にメラトニンを投与したところ就寝時間は一定になった
という結果が出ています
人においても入眠前にメラトニンを摂取することで体内時計が整い、24時間周期のリズムを取り戻したという報告が多くあります
また、メラトニンの摂取は生体リズムを整えるだけでなく、骨粗鬆症の予防や認知機能の維持、抗酸化作用など様々なメリットがあると考えられています
メラトニンの摂取方法としては
- 食品やサプリメントからメラトニンを摂取する
- 食品やサプリメントからトリプトファンを摂取する
の2種類があります
記事内で紹介した通りメラトニンはトリプトファンから合成できるので、トリプトファンの形で摂取しても問題ないというわけです
メラトニンやトリプトファンは食品などにも含まれていますが、十分な量を摂取するならばサプリメントを使うのが現実的です
メラトニンのサプリについては日本では販売されていないのでiHerb(公式ホームページ)などで海外製の商品を輸入する必要があります
逆にトリプトファンのサプリは日本でも販売できるため手軽に購入できます
商品の例としては以下のようなものがあります
サプリメントメーカーとしては大手のNowFoods社の製品です
トリプトファンが500mg入ったカプセルが120粒入っています
価格は1粒当たり22円程度とかなり経済的です
入眠前に2粒飲むことで、生体リズムの改善に効果があったと報告のある量(1g)のトリプトファンを摂取することができます
メラトニンのサプリは輸入しなければならないので配送料なども高くなりがちです
ただ、iHerbでは30%OFFの商品があったり、6,000円以上の買い物で配送料が無料になったりするので、まとめ買いすることでお得にサプリを買えます
まとめ
今回は体内時計についての概要や仕組み、乱れてしまったときの症状や整え方などを解説してきたけどどうだった?
僕たちの体の中にこんな仕組みが備わっていたなんてびっくりしたよ!
遺伝子やホルモンなどの仕組みを使って体が自分で時間を把握しているというのは驚きだよね
この体内時計のおかげで僕たちは毎日元気に暮らせるんだよね!
そうそう。朝にちゃんと目が覚めるのも、夜にきちんと眠たくなるのも体内時計のおかげだったね
でもそれだけ大事なものだから乱れてしまうと、生活習慣病や心疾患・うつ病なんかのリスクが高まってしまうんだよね!
どれも恐ろしいものだから気を付けたいね
だけど朝ごはんを決まった時間に食べたり朝日を浴びたりすると体内時計をリセットできるんだよね!
そうそう。あとはメラトニンやトリプトファンの摂取も有効だったね
よーし!僕も体内時計を整えるためにこれから朝ご飯は外で食べるぞ!
・・・・・別に同時にやらなくてもいいんだよ?
ということで今回の記事は以上になります!
このサイトではこのほかにも健康に関する様々な記事を投稿していますので良ければのぞいてみて下さい!
最後まで読んでくださりありがとうございました!
それじゃあまたね!