今回は体につく脂肪についての記事だよ
脂肪って太ってしまうとおなかにつくあれだよね
イメージとしてはそういったものが強いけれど、実は内臓や筋肉の周りにもついていて、それぞれに違った特徴があったりするんだ
え?そうなの?
ということで今回は体につく脂肪について
- どんな種類があるか
- それぞれの働きと弊害
- それぞれの脂肪の落とし方
といった事についてざっくり解説していくよ
脂肪の種類や働き、落とし方について知るために心して聞くよ!
目次 とじる
脂肪の種類
脂肪と聞くと『おなか周りにつくもの』や『おしりにつくもの』といったイメージがありますよね
また、お酒を飲む方は肝臓にも脂肪がたまるという話を聞いたことがあるかと思います
このように脂肪は体の様々な部位につきますし、そのどれもがたしかに脂肪なのですが、実はそれぞれに違った名前や働きがあったりします
この章ではそんな脂肪の種類についてみていきましょう
皮下脂肪
まずは皮下脂肪からです
皮下脂肪はその名の通り皮膚の下につく脂肪で、おなか周りやお尻、太ももなどにつきやすいです
実はこの皮下脂肪ですが、性別や人種によってつきやすさが異なっていて、
- 男性よりも女性につきやすい
- アジア系の人種よりも白人につきやすい
という風になっています
女性に皮下脂肪がつきやすいのは女性ホルモンであるエストロゲンの働きによって内臓脂肪が皮下脂肪に変えられるからだといわれています
また、アジア人よりも白人につきやすい理由ははっきりとは分かっていませんが、長年の食生活によって脂肪の貯え方が変わったという考え方もあります
皮下脂肪は適度につく分には女性的なシルエットを作るのに役立ちますが、他の脂肪に比べると外見に現れやすいので少しつきすぎただけで太ったように見えてしまいます
その他の特徴として皮下脂肪を作っている細胞は増殖しやすいというものがあります
そのためエネルギーを取りすぎるとそれを蓄えるために脂肪細胞がどんどんと増えて体が大きくなっていくのも特徴です
男性よりも女性の方が体形に敏感なのは皮下脂肪の付きやすさも関係しているかもしれません
内臓脂肪
内臓脂肪と聞くと内臓の壁にべったりと張り付く脂肪を想像してしまいますが、実は内臓に直接ついているわけではありません
内臓脂肪がつくのは腸間膜といわれる、2層構造の膜の間です
腸間膜は胃や腸といった内臓とおなか周りの筋肉との間にあるもので、内臓の位置を正しく保つ役割があります
内臓脂肪も皮下脂肪と同様に性別や人種によってつきやすさが異なっていて、
- 女性よりも男性につきやすい
- 白人よりもアジア人につきやすい
と言われています
アジア系の男性につきやすい理由は皮下脂肪の時の逆で、
- 女性は皮下脂肪がつきやすいから相対的に男性は内臓脂肪が多くなる
- 白人は皮下脂肪がつきやすいから相対的に男性は内臓脂肪が多くなる
というわけです
先ほど解説したように、内臓脂肪がつく腸間膜は筋肉の下にあるため、内臓脂肪は皮下脂肪よりも深い位置につく脂肪ということになります
そのため内臓脂肪は皮下脂肪とは違って、少しついただけでは体形的に大きな変化は見られません
そのほかの特徴として内臓脂肪は皮下脂肪に比べて増殖しにくいということがあります
しかし体としてはせっかく入ってきたエネルギーは蓄えておきたいので、内臓脂肪を作る細胞に無理やり脂肪を押し込んで蓄えようとします
皮下脂肪が細胞の数が増やすことで収納場所を確保するのに対して、内臓脂肪は限られた細胞に無理やり押し込む形で脂肪を蓄えるというわけですね
こうして脂肪をたくさん詰め込まれた細胞は元の大きさと比較して4倍もの大きさまで膨れ上がります
内臓脂肪を作る細胞が膨れるとおなかが内側から押し上げられるので、体系としてはまんまるとしたシルエットになります
白人男性よりもアジア人の男性に痩せている人が多いように感じる理由は内臓脂肪と皮下脂肪の量の違いにあったんですね
異所性脂肪
さて、ここまで皮下脂肪と内臓脂肪について紹介してきましたが、そのどちらにも属さない異所性脂肪と呼ばれるものがあります
名前からではどこにつく脂肪なのか見当がつきませんよね
異所性脂肪は
- 肝臓
- 膵臓
- 心臓
- 筋肉
といった臓器や組織の周りにつく脂肪です
皮下脂肪や内臓脂肪がつくのは体が生きるためにエネルギーを蓄えようとしてついてしまうものです
昔は食べ物がいつ手に入るかわからなかったので、体に入ってきたエネルギーは脂肪に変換することで無駄なく体に蓄えようとしていたわけですが、現代では昔とは比べ物にならないほど身の回りに食べ物があふれています
それによってエネルギー過多になると、皮下脂肪や内臓脂肪として蓄えるのでは間に合わなくなってしまいます
そこで体は皮下脂肪でも内臓脂肪でもない異所性脂肪として、心臓や肝臓などの臓器の周りや筋肉などの組織の周りに脂肪を蓄えはじめます
いわゆる脂肪肝というのもこの異所性脂肪が肝臓にたまった状態のことを指しています
この異所性脂肪ですが、臓器の周りや筋肉に蓄えられるため外見からは判別しづらいのが特徴です
普通ではつかない場所に脂肪がついてしまうため異所性脂肪と呼ばれるわけですね
それぞれの働きと弊害
脂肪と聞くと
- 体形を悪くするいやな存在
- 運動の邪魔になるし有っても良いことがない
というマイナスのイメージが強いですよね
しかし体がわざわざ脂肪という形でエネルギーを蓄えようとしていることからもわかるとおり、脂肪には脂肪のメリットがあるのです
この章では『脂肪の種類』で紹介してきた3種類の脂肪について、それぞれの働きやデメリットなどを見ていきましょう
皮下脂肪
皮下脂肪の働きとしては以下のようなものがあります
- エネルギーを蓄える
- 体温を維持する
- 体への衝撃を吸収する
- 体に必要ないろいろな物質を分泌する
- 栄養の吸収を助ける
- 細胞の膜や性ホルモンをつくる材料になる
前提として、体はエネルギーを貯蔵する目的で脂肪を付けます
ここで「なんでわざわざ脂肪として蓄えるの?」という疑問を持つ方もいるかもしれませんね
エネルギーは脂肪の他に糖分としても蓄えられるのですが、脂肪として蓄えた方がよりコンパクトに貯蔵できるのです
これは油のカロリーが1gあたり9kcalなのに対して糖分は1gあたり4kcal程度であることや、糖分は水分とくっついて体積が増えてしまうということが関係しています
実際に脂肪の代わりに糖分としてエネルギーを貯蔵しようとするとおよそ6倍もの体積になるのだそうです
皮下脂肪はエネルギーを貯蔵するだけでなく、様々な物質の分泌も行っています
この脂肪細胞から分泌される物質は100種類以上あるとされており、これらをまとめてアディポサイトカインと呼びます
アディポサイトカインには健康に役立つ善玉のものと健康を害する悪玉のものがあります
代表的なアディポサイトカインを善玉と悪玉とに分けると以下のようになります
- アディポネクチン(インスリンの効き目を高める)
- レプチン(脳の視床下部に働きかけて食欲を抑える)
- TNF-α(インスリンの効き目を悪くする)
- レジスチン(インスリンの効き目を悪くする)
- PAI-1(血栓を作る)
- IL-6(動脈硬化の原因になる)
- アンジオテンシノーゲン(血圧を高める)
アディポネクチンやレプチンはインスリンの効き目を高めたり、食欲を抑えることで肥満や糖尿病を防ぎます
逆にTNF-αやレジスチンはインスリンの効き目を悪くすることで肥満や糖尿病を促します
健康的な人ではアディポネクチンなどの善玉物質が多く分泌されるのですが、肥満になると善玉物質の分泌が減り、悪玉物質の分泌が増えることが知られています
これによって肥満の人はさらに太りやすい体質になり、さらに様々な疾患のリスクも上がってしまうのです
悪者扱いされる脂肪細胞も適度についている分には強い味方になるわけですね
しかし肥満になるとデメリットが大きくなってしまうので、しっかりと脂肪の量をコントロールすることが大切です
内臓脂肪
続いて内臓脂肪の働きには以下のようなものがあります
- エネルギーを蓄える
- 内臓への衝撃を吸収する
- 内臓の位置を固定する
- 体に必要ないろいろな物質を分泌する
- 栄養の吸収を助ける
- 細胞の膜や性ホルモンをつくる材料になる
皮下脂肪と重なる部分が多いですが、違う点としては内臓の位置を固定したり内臓への衝撃を和らげたりといった部分があります
皮下脂肪は体の表面部分についていたため表面的な衝撃を吸収するのに対して、内臓脂肪はより内臓に近い位置についているため内臓への衝撃を和らげるのです
また、臓器は何もしないと重力に引っ張られて下へ下がってしまいますが、内臓脂肪が臓器を抑える事でだいたい決まった位置に固定しておくことができます
内臓脂肪から分泌されるアディポサイトカインも皮下脂肪から分泌されるものと同じなのですが、内臓脂肪のほうが悪玉のアディポサイトカインを分泌しやすいといわれています
これは皮下脂肪がどんどんと数を増やせるのに対して内臓脂肪は1つ1つの細胞が大きくなるため、周りにある血管を圧迫して脂肪細胞に血液が届かなくなることで起こると考えられています
内臓脂肪も頑張ってくれていますが、皮下脂肪に比べると扱いづらい部分がありますね
異所性脂肪
続いて異所性脂肪ですが、これは本来つくはずのない場所に脂肪がついている状態なので、人間の体に対するメリットはほとんどありません
その代わりにデメリットが満載で、
- メタボリックシンドロームの原因になる
- NASH(非アルコール性脂肪性肝疾患)の原因になる
- 動脈硬化を促進する
- 糖尿病の発症を促す
- 心疾患・脳梗塞などの発症を促す
といったものがあります
いわゆる脂肪肝や動脈硬化、糖尿病に脳梗塞など重大な疾患のリスクを高めるため異所性脂肪がついていて良いことはありません
これまでの脂肪とは違って良い点が無いのが異所性脂肪です
良い点がないだけでなくデメリットが大きいので最近はこの異所性脂肪を減らすことに注目が集まっています
減らすためにはどうすればいいの?
ここまでそれぞれの脂肪の概要や働き・デメリットなどについてみてきました
皮下脂肪や内臓脂肪は適度についている分にはメリットが大きいですが、つきすぎると健康面でのデメリットや体系への影響があるので「脂肪の落とし方を知りたい」というのが本音ですよね
そこでこの章では脂肪の落とし方についてざっくりと解説していきます
脂肪の落ちやすさ
まず残念なお知らせですが、基本的には落とす脂肪の種類や場所を選ぶことはできません
脂肪は種類や場所によって落ちやすさが異なっていて、基本的には落ちやすい脂肪が優先して落ちていきます
そのため
- 「おしりについた皮下脂肪が気になるからおしりの脂肪だけを落とそう!」
- 「内臓脂肪が多いといわれたから内臓脂肪だけを減らそう!」
といういわゆる部分痩せのようなことはできないのです
落としたい脂肪があるのなら、その脂肪が落ちるまで待つ必要があるわけですね
脂肪の落ちる順番は以下のようになっています
- 異所性脂肪が1番落ちやすい
- 内臓脂肪がその次に落ちやすい
- 皮下脂肪は1番落ちにくい
- おなかやおしりについた皮下脂肪よりも二の腕や首についた皮下脂肪のほうが落ちやすい
これを見るとわかる通り、優先的に落とされていくのはデメリットの大きい異所性脂肪や扱いにくい内臓脂肪などで、体系に影響のある皮下脂肪はかなり落ちにくくなっています
しかし、男性は内臓脂肪がつきやすいのでそもそも皮下脂肪がつきにくいですし、女性は内臓脂肪がつきにくいのでより早い段階から皮下脂肪が落ちるようになるのであまり気にする必要はないかもしれません
選んで脂肪を落とすことができないのは残念ですが、体がしっかりとデメリットの大きな脂肪から落としてくれるというのは面白いですよね
脂肪の落とし方
次に本題である脂肪の落とし方について簡単に見ていきましょう
脂肪を落とす方法としては以下のものがあります
- 断食
- 瞑想
- 適度な運動
- 精製された炭水化物を避ける
- 良い脂質を摂取して悪い脂質を避ける
世の中にはいろいろなダイエット法がありますが、基本的にはどれもインスリン値を適正に保つことでダイエット効果を発揮していると考えられています
いまここに挙げた例もインスリンの値を正常に保つのに役立ちます
例えば断食をすると耐糖能と呼ばれる、体がインスリンに耐性を持ってしまう症状を改善できますし、瞑想や適度な運動はコルチゾールというインスリン値を増やすホルモンの分泌をおさえます
精製され炭水化物の摂取も肥満の原因になります
精製された炭水化物というのは
- 白米
- パン
- 砂糖
- 果糖ブドウ糖液糖(ジュースなどに使われる甘味料)
といったもののことで、どれも私たちの身の回りにあふれています
こういった食べ物は血糖値の上昇をうながし、それに伴ってインスリンの過剰分泌も起こります
「絶対に食べないように」とは言いませんが、極力避けた方が良いでしょう
脂質はカロリーが高いためダイエットに不向きとされることが多いですが、最近では
- 「カロリーを減らしたからと言って痩せるわけではない」
- 「カロリーの制限よりもインスリン値のコントロールが大切だ」
とする声が多いため、良質な油であれば積極的に摂取するべきとされています
良質な油の例としては
- オリーブオイル
- ココナッツオイル
- えごま油
- バター
などがあり、逆に質の悪い油としては
- 植物油脂(工業的な食べ物によく使われる)
- サラダ油
- 大豆油
- マーガリン
などがあります
質の悪い油は心疾患をはじめとする様々な疾患のリスクを上げることが知られているので、ダイエットのついでに質の良い油を使うようにすると良いでしょう
「肥満は遺伝によるところが大きい」という話もありますが、ある研究によると遺伝は肥満の原因の内の30%程度にしか関係していないのだそうです
残りの7割は生活習慣によるものなので、今回紹介したことを続ければおのずと脂肪は落ちていくでしょう
まとめ
今回は脂肪について、種類や働き、増えすぎによる弊害や落とし方などについての記事だったけれどどうだった?
まさか脂肪にいろんな種類があったり体にうれしい効果があったりするなんて驚いたよ!
脂肪と聞くと悪いイメージばかりがあるから脂肪にもメリットがあるというのは意外だよね
だけど異所性脂肪には体に対するメリットはないんだよね
そうだったね。皮下脂肪や内臓脂肪と違って必要な脂肪じゃないからデメリットが多くなるんだね
でも異所性脂肪はデメリットが多いけれど内臓脂肪などと比べても落ちやすいんだよね!
そうそう。異所性脂肪が一番落ちやすくて次に内臓脂肪、一番落ちにくいのは皮下脂肪だったね
それで、脂肪を落とすためにはインスリン値を上げないことが大事なんだよね!
断食はインスリン値を下げるのに役立つけれど、最初はつらいと思うから精製糖質を避けたり、質の良い脂質の摂取を増やすことから始めるのがおすすめだよ
そっか!じゃあこれからはおやつの時間にオリーブオイルを飲むようにするよ!
・・・・・。
ということで今回の記事は以上になります!
このサイトではこのほかにも健康に関する様々な記事を投稿していますので良ければのぞいてみて下さい!
最後まで読んでくださりありがとうございました!
それじゃあまたね!