今回はリーキーガットについての記事だよ
リーキーガットって何か聞いたことあるかも!
ネットやテレビでも聞くようになってきたから、ハッパくんのような人も多いかもね
でも「聞いたことはあるけれど実際にどんなものなのかはよく知らない」という人も多いんだ
そこで今回はリーキーガットについて
- リーキーガットとはそもそも何なのか
- どのような仕組みで発症するのか
- どんな症状が現れるのか
- 予防するためにはどうすればいいのか
といったことについて解説していくよ
リーキーガットが何なのか知るために心して聞くよ!
目次 とじる
リーキーガットって?
最近テレビやネットの情報などで聞くことの多くなったリーキガットという言葉ですが、「聞いたことはあるけれどよく知らない」という方も多いのではないでしょうか?
リーキーガットというのはある疾患の略称であり、正式な名前は腸管壁侵漏症候群(LGS:Leaky Gut Syndrome)です
名前の由来は見たままの通りで、腸管1の壁から何かが漏れでる症状があることからそう名付けられました
英名のLeaky Gut Syndrome も意味合いとして同じことを示しています
近年では健康における腸の役割が重視されており、その腸に悪影響を与えるリーキーガットは危険視されています
また、脳腸相関という「脳と腸の健康状態が互いに影響しあっている」という考え方も一般的になりつつあり、認知機能への影響も懸念されています
このように腸は脳や身体・精神の健康に影響していると考えられることから、その重要性やリーキーガットの危険性に注目が集まっています
リーキーガットが関係していると考えられる疾患は数多くあり、その一部については次章で紹介します
実はリーキーガットは医学的に認められた疾患ではありません
しかし現代人の抱える問題の多くは腸の不調によるものと考えられるものが多いため、リーキーガットは避けるべき疾患として広く知られるようになりました
仕組み
腸から何かが漏れ出てしまうという恐ろしい疾患であるリーキーガットですが、どのような仕組みで腸に異常をきたしているのでしょうか
それを解くカギは腸に備わったバリア機能にあります
1口にバリア機能といっても腸には実に様々なバリアが存在しており、大きく分けると物理的なものと科学的なものがあります
この章ではそういった腸のバリア機能の概要と、そのバリア機能とリーキーガットとの関係をざっくりと解説していきます
物理的なバリアの仕組み
先ずは腸に備わったバリア機能の内、物理的な仕組みについて解説しましょう
物理的なバリア機能にはいくつかの仕組みがあり、主に以下の3種類があるといわれています
- 腸の壁を構成する細胞同士の強固な結合(タイトジャンクション)
- 杯細胞の生成するムチンによる粘膜層
- 有益な腸内細菌による抗菌作用
タイトジャンクション
1つ目の仕組みであるタイトジャンクションは細胞同士の強い結合によって作られます
この結合の度合いが絶妙で、栄養素は通れるけれど毒素は通れなくなっており、それによって細菌などが血液に混じることを防ぎます
杯細胞の作る粘液層
2つ目の仕組みである粘膜層は腸の壁を構成する細胞の一種である杯細胞の作るムチンによって作られます
杯細胞の作る粘膜層は大腸では特に厚く、表面部分とその下にある腸管上皮側との2層構造になっています
ただ、小腸の粘膜層は大腸よりも薄いためこういった分類はありません
また、杯細胞は腸だけでなく結膜にも存在しており、ムチンを生成することで角膜に水分を保持する役割を担っています
腸内細菌による仕組み
3つ目の仕組みである腸内細菌による仕組みは、腸内細菌が人間に害のある細菌にたいして抗菌作用を発揮することによって成り立っています
ほかの2つの仕組みが「体に侵入させないために門を閉じる働き」であるのに対して腸内細菌による仕組みは「門に入ろうとする侵入者をやっつける働き」と言えます
このように物理的な腸のバリア機能には3種類の仕組みがあり、それぞれがしっかりと働くことで外部から細菌などが侵入することを防いでいるのです
最近は腸内細菌の重要性が広く知られていますが、そのほかにも腸にはこういったバリア機能が備わっているんですね
科学的なバリアの仕組み
科学的なバリア機能にはパネート細胞2と呼ばれる細胞の働きによって成り立っています
パネート細胞は腸壁を構成する細胞の1つで、そこから生成されるαディフェンシンをはじめとするペプチドによって腸壁に細菌が付着することを防いでいます
αディフェンシンには優れた抗菌作用があるため、腸に侵入してきた細菌などに対して特に有効な防衛手段となっています
このパネート細胞は空腸(小腸のうち十二指腸を除く胃側2/5部分)と比較して回腸(小腸のうち大腸側3/5部分)において特に多くなっているそうです
また、小腸には存在するパネート細胞ですが、基本的に大腸には存在していないのだそうです
タイトジャンクションと粘膜層が「門」、腸内細菌が「兵隊」ならパネート細胞は「大砲」とも例えられるかもしれません
リーキーガットの仕組み
リーキーガットの仕組みとしては食事やその他の理由で上記のような腸に備わったバリア機能が破綻することで起こります
例えば有名な例としてはグルテンの摂取があげられます
グルテンは摂取した後、腸に達する過程でグリアジンというグルテンの構成要素の1つに分解されます
このグリアジンが腸壁に張り付くことでゾヌリンと呼ばれるたんぱく質を生成する信号を上皮細胞に発信します
このゾヌリンというたんぱく質は腸壁の密着結合を調節する働きのあるタンパク質であるため、上皮細胞から生成された大量のゾヌリンによって密着結合が弱まり、文字通り腸に穴の開いた状態になります
つまりグルテンは物理的なバリア機能の内のタイトジャンクションによる仕組みを破綻させてしまうのです
また、この働きはグルテンに対してアレルギーがあるか否かによらないため、万人がグルテンの摂取に注意する必要があります
バリア機能が破綻する原因はグルテンの摂取以外にも日常的なアルコールの摂取や抗生物質の使用、消化不良、ストレスなどがあると考えられています
グルテンは腸のバリア機能を崩壊させる大きな原因になるわけですね
こういった仕組みを知ることでグルテンに対する危機感も高まるのではないでしょうか
症状
記事の冒頭でも触れたとおり、リーキーガットは身体や精神、脳の働きなどに対してネガティブな影響が多くあります
これはリーキーガットを発症すると腸から漏れ出た毒素が血液に乗って全身で炎症を起こすことによります
そのため1つ1つを紹介しているときりがないため、この章ではリーキーガットの主な症状をいくつか抜粋して紹介します
鬱
マウス実験でリーキーガットを発症させたマウスに鬱の兆候が見られたという報告があるそうです
情報不足な部分もあって因果関係は定かではないですが、一説にはBDNF3と呼ばれるタンパク質が関係しているといわれています
BDNFは脳の神経細胞を作るのを促したり、ストレスホルモンと呼ばれるコルチゾールから神経細胞を守る働きをしていると考えられている物質です
そのためBDNFが不足することで発育に異常をきたしたり、日常的な不調を引き起こす可能性があるといわれています
また、ある種の善玉菌がこのBDNFの産生に寄与していると考えられているため、腸内環境が乱れて善玉菌の活動が阻害されることでBDNFの産生がうまくいかず、鬱になりやすくなると考えられています
腸内環境が整うと気分が良くなるという話は良く効きますが、それにはこういった仕組みがあるんですね
肥満
食欲の制御には2種類のホルモンが関係しているといわれています
それがレプチンと呼ばれる食欲を抑えるホルモンとグレリンと呼ばれる過食を促すホルモンです
腸内細菌はホルモンの生成を制御しているため、腸内環境が悪化してグレリンが過剰になると過食を引き起こし、肥満につながると考えられています
腸に悪い食べ物はダイエットにも向かないというわけですね
糖尿病
リーキーガットを引き起こす要因であるグルテン、果糖、その他精製糖質を摂取することで糖尿病を引き起こす可能性があります
これについてはリーキーガットになったから糖尿病になるという話ではなく、リーキーガットを引き起こす食べ物が同じく糖尿病を引き起こす可能性があるという話ですので誤解のないよう気をつけましょう
体に悪いものは1つだけでなく様々な疾患のリスクを高めます
アルツハイマー病
腸内環境に悪い影響のある食べ物は血糖値も上げやすいことが多いです
また、血糖値を上げる食べ物を食べるとアルツハイマー病を発症するリスクが上がる可能性があります
実際に血糖値の上昇とアルツハイマー病には相関関係がみられるという報告もあります
糖質は必要な栄養素なので極端にさける必要はありませんが、砂糖、果糖ブドウ糖液糖、白米や小麦粉などの精製穀物などは急激な血糖値の上昇を引き起こすので極力避けるとよいでしょう
腸に悪いものは体に悪いと言えそうなくらい全身の疾患とかかわっていますね
アレルギー
腸から漏れた毒素が血管を通して全身に回ることで全身の免疫系が過剰に反応し、アレルギーを引き起こす可能性があります
実際にアメリカなどでは現代食の普及とともにこういった症状が増加しており、問題になっているそうです
アレルギーは遺伝的なものや、1つの物を過剰に摂取したりしても発症しますが、腸に問題があっても発症するんですね
予防・改善するには?
色々なデメリットがあるリーキーガットですから、できれば予防したいですよね
でも、「具体的にどうすれば予防できるのかわからない」というのが本音だと思います
そこで、この章ではリーキーガットを防ぐ方法をその中から特に効果の大きいものをいくつか選んで紹介します
グルテンを避ける
まず、必ずと言っていいほどリーキーガットの原因として真っ先に挙げられるグルテンを避けることから始めましょう
リーキーガットの仕組みについて解説した際にも紹介した通り、グルテンを摂取すると腸のバリア機能の一つであるタイトジャンクションを破綻させてしまう恐れがあります
朝食にパンを食べていた方はお米にきりかえたり、どうしてもパンが食べたい場合は米粉を使ったパンにするなどしましょう
また、麺類にも小麦が使われていることが多いので極力避ける、もしくはそば粉の割合の高い蕎麦やビーフンなど、小麦を使わないものを選ぶと良いでしょう
前章でも解説しましたが、この問題についてはアレルギーの有無とは関係がないため誰もが避けられない課題です
安くて加工のしやすい小麦製品は私たちの身の回りにあふれかえっています
知らない間に摂取していることも多いので、できれば主食ぐらいは小麦製品を食べないようにしたいですね
抗生物質を極力避ける
抗生物質は医療の発展とともに現れた便利な発明ではありますが、それが健康に全く悪影響を及ぼさないということはありません
というのも抗生物質を使うことによって悪性の細菌類だけでなく、腸内に住む有益な細菌も同様に死滅してしまうのです
前章で解説した通り、腸内細菌叢は腸内バリアの物理的な機能の一端を担っているため、抗生物質を使うことで腸内バリアは柱の1つを失うことになります
そうなることでリーキーガットにつながってしまうため、必要でない場合には抗生物質を安易使うのはやめた方が良いでしょう
抗生物質はうまく使えば治療に役立ちます
しかし安易に使うと腸内細菌を殺してしまい、ほかの疾患のリスクを高めてしまうので気をつけましょう
サプリメントや食べ物で腸内細菌のバランスを整える
抗生物質の欄で解説したように、腸内細菌は外的な要因によって死滅することもありますが、そのまま元に戻らないということはなく、サプリメントや食べ物から補うことで再び腸内で増えていきます
腸内細菌を増やす食べ物としては有益な菌を含む発酵食品を摂取するのが有効です
具体的には以下のようなものがあります味噌や納豆、キムチ、ザワークラウトなどがあげら
- 味噌
- 納豆
- キムチ
- ザワークラウト
- チーズ
ただ、食品に含まれる菌は微量であるため既に悪化している腸内環境を改善するという目的で摂取する場合には力不足になります
食事はあくまでも予防的な措置なので、腸内環境の改善を目的とする場合はサプリメントなどで大量に菌を摂取するのが有効です
発酵食品は腸内環境を良好に保つために食べ、腸内環境を改善するのであればサプリメントを使いましょう
まとめ
今回はリーキーガットについて解説してきたけれどどうだった?
まさか腸に穴が開いた状態になっているなんて驚いたよ!
それに思っていたよりも深刻な症状を引き起こすんだね!
そうだね
しかも今回紹介した症状はほんの1部だから、本当はもっとたくさんの影響があるんだ
そんな恐ろしい疾患だけれど、ちゃんと食べ物を選んで食べればある程度予防できるから気を付けたいね
リーキーガットを防ぐにはやっぱり腸内環境を良くすることが大事だったんだよね
そうそう
それに安易な抗生物質の使用を控えるのも効果的だったね
今回の記事を読んで、リーキーガットの恐ろしさや予防するためにはどうすればいいかがなんとなくわかったよ!
自分たちで予防できるものだから気を付けて生活していきたいよね
そうだね!よーし!明日から主食は納豆だ!
それはやりすぎかな
・・・・・。
ということで今回の記事は以上になります!
このサイトではこのほかにも健康に関する様々な記事を投稿していますので良ければのぞいてみて下さい!
最後まで読んでくださりありがとうございました!
それじゃあまたね!